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第2章 佐久市の文化の現状と課題 佐久市文化振興計画の策定について | 佐久市ホームページ

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Academic year: 2018

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 本市は県下4つの平の一つである佐久平の中央に位置し、四方を浅間山、八ヶ岳、蓼科山、荒 船山などの山々に囲まれ、中央を南北に千曲川が流れる豊かな自然に囲まれ、古くは先史時代か ら人の生活が営まれた地域であり、市内の各地に生活の痕跡が史跡として見つかっています。  佐久の地域性の一つとして、山々に囲まれ、寒暖の差が大きく厳しい自然の中、小さな集落を 中心として、自主独立の精神が強く、地域を大切にする気風が育まれたと言われています。  古代末には朝廷直轄の「官牧」が作られ、良

質な牧草が茂るなどの良好な環境が、朝廷へ献 上する良馬を育成し「望月の駒」と呼ばれたこ とから、地域の名前の由来となったと言われて います。

 近世には起伏に富んだ地形を高い技術と優れ た工夫により「五郎兵衛用水」が築かれ、肥沃 な大地に水をもたらし、その地域一体は美味し いお米の産地となりました。

 また、幕末には学才見識ともにすぐれた藩主

により、稜堡式築城法を採用した我が国に2つしかない星形稜堡の洋式城郭として「龍岡城五稜 郭」が築城されました。

 近代には擬洋風建築の「旧中込学校」が地域 の人々の寄付により建設され、その中央の八角 塔の天井には、子どもたちの目を海外に向けさ せたいとの思いから、世界地図が描かれています。  このように、佐久には豊かな風土や貴重な文 化財が残されるとともに、国の重要無形民俗文 化財に指定されている「跡部の踊り念仏」を始 めとした、いくつもの個性豊かな祭りや伝統行 事が、各地に受け継がれています。

2

佐久市の文化の現状と課題

1

佐久市の文化の土壌

旧中込学校

(2)

 現在、市内で様々な文化芸術に関する活動が行われていますが、その多くは文化芸術活動に夢 や希望、情熱を持った人たちに支えられています。

 これらの人たちが集まり、お互いに刺激し 合うことは、文化芸術活動の活性化となり、 多くの人の文化芸術活動を生み出しています。

活動や鑑賞の現状

 平成 23 年8月∼ 10 月にかけて行った、 佐久市の文化についてのアンケートは、対象 を市内に在住する 20 歳以上の市民から無作 為 に 1500 人 を 抽 出 依 頼 し、869 人 (57.9%)の方から回答をいただきました。

 この中で、1年以内の文化芸術に関し、そ の活動や鑑賞について尋ねた結果、活動を 行っていないと回答した人は 80.1%【図1】、 1 年以内に自宅以外で有料の文化芸術を鑑賞 しない人も 53.4%【図2】となり、それぞ れ、行わない・鑑賞しない人が半数を上回る 結果となりました。

 また、実際に文化芸術活動を行っている人 に 活 動 し て い る 場 所 を 尋 ね た と こ ろ、 63.5%【図 3】の人が自分の住む地区内で 活動していると回答しており、多くの文化芸 術活動が身近な場所で行われている結果とな りました。

 これらの「活動しない(鑑賞しない)」理 由【図 4・図 5】としては「時間的に余裕が ない」との回答が双方とも最も多く、「参加 したい活動の時間が合わない」や「鑑賞した い催し物の開催時間と自分の予定が合わな い」と合わせ、多くの人が時間的な理由を挙 げています。

 また、その他の回答として、「文化芸術に 興味がない」や、「鑑賞・参加したい催しが

0% 20% 40% 60% 80% 100%

Q あなたは1年以内にご自分で演じたり、作ったり、   描くなど文化芸術活動を行ったことがありますか。

ある

17.9% 80.1%ない 2.0%不明

【図 1】

0% 20% 40% 60% 80% 100%

Q あなたは1年以内に自宅以外でお金を払って、   文化芸術活動を鑑賞したことがありますか。

ある

44.6% 53.4%ない 2.0%不明

【図 2】

0% 10 20 30 40 50 60 70

Q どこで活動していますか。

地区内 63.5%

% % % % % % %

※複数回答

地区外で市内 市外で県内 県外

34.6%

23.1%

14.7%

【図 3】

0% 20 40 60 80 100

Q 活動しない理由

% % % % % 時間的に余裕

がない。

文化芸術に 興味がない。

参加したい活 動の時間が合 わない。

参加したいと思

う活動がない。 会場が遠い、または交通手段が ない。

どんな活動があ るのか情報がな くわからない。 一緒に活動す

る人がいない。 参加費などが高い。

その他

【図 4】

(3)

ない」など、文化芸術に対するモチベーショ ンや催し物に対する興味を理由とする回答が 多くありました。

 このように、文化芸術の活性化を図るうえ で、時間的に参加しやすい工夫やモチベー ションの向上・市民のニーズに合った催し物 の企画などが課題と考えられます。

 一方、活動している人の多くは身近な施設 で活動を行っており、様々な種類の教室や、 多くのグループ活動を行っている公民館活動 は、文化芸術の推進を図るうえで大切な部分 を担っていると考えられます。

市民の意識

 同じアンケートにおいて「佐久市は文化・ 芸術が盛んなまちと感じていますか」の設問 に、72.5%【図6】の人が「思わない」と 回答しています。

 思わない理由としては「文化活動の情報が 身近になく、分からない」と、「市内で芸術 的に優れた公演が行われることが少ない」の 回答が多く、双方を合わせると思わない人の 70.1%【図7】となり、市民が文化芸術の 盛んなまちと感じるには情報や芸術性の高い 公演の開催が不足していると

感じている人が多い結果とな りました。

 一方、「今後の文化振興に 大切だと思うことは」の問い に 62.4 %【 図 8】 の 人 が 「多くの人が気軽に参加でき る文化芸術活動の企画・開 催」と回答しています。  このため、文化芸術活動へ

多くの人が参加することで、文化の振興が図られると考えており、「気軽に参加できる」をキー ワードに幅広い意見を聞き、文化芸術の施策を計画するとともにその計画を広く市民へ伝える必 要があると考えられます。

0% 20 40 60 80 100

Q 鑑賞しない理由

% % % % % 時間的に余裕

がない。

文化芸術に 興味がない。 催し物の開催時

間と自分の予定 が合わない。

鑑賞したい 催しがない。

会場が遠い、また は会場まで行く交 通手段がない。

開催している催 し物の情報が無 くわからない。 入場料などが 高い。 その他

【図 5】

Q 佐久市の文化・芸術について盛んなまちと感じていますか

% % % % % 0 20 40 60 80 100

思う

24.0% 思わない72.5% 3.5%不明

【図 6】

Q 盛んだと「思わない」理由

文化活動の情報が身近になく、分からない

※複数回答

0 10 20 30 40

38.7% 31.4% 15.7% 7.6% 7.0% 6.7%

市内で芸術的に優れた公演が行われることが少ない 教育施設や文化施設が整っていない 文化芸術活動を行っている人が少ない 文化芸術の分野で活躍している人が少ない 歴史的文化財の保存や活用がされていない

% % % % %

【図 7】

Q 今後の佐久市における文化振興について、大切だと思うものを3つお答えください。

多くの人が気軽に参加できる文化芸術活動の企画・開催

※複数回答

質の高い文化芸術公演の企画・開催 歴史的な文化財や伝統文化・芸能の保存・継承 文化芸術活動に関する情報の一元管理・提供 文化芸術活動を行う既存施設・設備の充実 文化活動を企画実践する民間団体・ボランティアの育成

% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70

62.4% 36.2% 26.6% 25.0% 22.2% 17.3% 16.2% 16.0% 14.7% 12.9% 9.8% 文化芸術「鑑賞」に対する支援の充実 文化芸術「活動」に対する支援の充実 文化芸術活動や鑑賞に参加する際の交通手段の充実 文化芸術活動を行う指導者の増加 文化芸術活動を企画実践する市役所内部署の充実

(4)

3

既存文化施設の現状と課題

 佐久市の文化施設は地域の歴史と伝統を背景に建設されており、合併によりそれぞれの特色を もつ施設が各地に点在する形となりました。

 また、本市における文化振興の方向の一つに、佐久市総合文化会館の建設が計画されていまし たが、「佐久市総合文化会館建設の是非を問う住民投票」の結果、建設が中止となりました。

施設の利用状況

 文化施設の利用状況は、全体としては利用 者が増加【図 9】しています。図書館・子ど も未来館をはじめとする学習系の施設【図 10】やコスモホール・公民館活動を中心と した貸館系の施設【図 11】の利用者数は平 成 17 年度以降、概ね毎年利用者数が増加し ています。

 また、鑑賞を中心とした美術館系施設【図 12】は平成 21 年度まで減少傾向にありま したが、平成 22 年度に新しい企画展の開催 や、川村吾蔵記念館が新しく開館するなど、 すべての施設で入館者が増えました。

 一方、博物館系の施設【図 13】では各施 設とも平成 22 年度は大きく入館者数が減少 し、なかでも臼田文化センターは主な収蔵品 を川村吾蔵記念館へ移したため、利用者が減 少しているため、施設の活用について検討が 必要となっています。

 これらの現状から、施設の有効活用には市 民のニーズに応じた講座や教室・企画展など 内容を工夫するとともに、他の施設と連携し た取り組みを行うなど、施設の新しい魅力の 発信が必要と考えられます。

0 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 600,000 700,000 800,000 900,000

文化施設全体の利用者数

H17 H18 H19 H20 H21 H22

図書館全体 臼田文化センター 天体観測施設 島崎藤村旧宅 旧中込学校 昆虫体験学習館 子ども未来館 五郎兵衛記念館 望月歴史民俗資料館 川村吾蔵記念館 鎌倉彫記念館 近代美術館 天来記念館 コスモホール 公民館全体 交流文化館浅科

【図 9】

0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 300,000 350,000 400,000 450,000

学習系施設入館者数

H17 H18 H19 H20 H21 H22

臼田図書館 サングリモ中込図書館 浅科図書館 望月図書館 中央図書館 天体観測施設 昆虫体験学習館 子ども未来館

【図 10】

0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 300,000 350,000 400,000

貸館系施設利用者数

H17 H18 H19 H20 H21 H22

コスモホール 臼田地区館 野沢地区館 中込地区館 東地区館 浅間地区館 浅科地区館 望月地区館 公民館本館 交流文化館浅科

(5)

施設の老朽化

 文化芸術に関する施設には、経年による施設や設備の老朽化などが目立つようになり、大規模 な改修や修繕・建て替えなどが必要な施設もあります。

 このため、施設の利用状況や役割、今後の位置づけなどを総合的に勘案し、既存施設の活用と 統廃合も含めた検討をすると共に、施設の特徴を生かした管理運営を行うため、その方法につい ても見直しが必要となっています。

0 5,000 10,000 15,000 20,000

美術館系施設入館者数

H17 H18 H19 H20 H21 H22

川村吾蔵記念館 鎌倉彫記念館 近代美術館 天来記念館

【図 12】

0

5,000 10,000 15,000 20,000 25,000

博物館系施設入館者数

H17 H18 H19 H20 H21 H22

臼田文化センター 島崎藤村旧宅 旧中込学校 五郎兵衛記念館 望月歴史民俗資料館

【図 13】

コスモホール 天来記念館 佐久市立近代美術館

参照

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